【令和8年度】1級管工事施工管理技士 第一次検定の問題解説|注目問題の解き方と難易度

【令和8年度】1級管工事施工管理技士 第一次検定の問題解説|注目問題の解き方と難易度

2026年9月6日に、令和8年度の1級管工事施工管理技士 第一次検定が行われました。受験された皆さん、本当にお疲れさまでした。

今年は、試験の冒頭から見慣れない問題が並び、「最初で焦ってしまった」という声が多く寄せられています。一方で、全体の難易度は標準的で、過去問をしっかり解いてきた方なら合格基準に届く内容でした。

この記事では、令和8年度の分野別の難易度と、特に解き方のポイントになる注目問題を、CIC講師の解説をもとに1問ずつまとめました。自己採点の振り返りや、来年に向けた対策にお役立てください。

CIC講師が解説した動画もあります。ネットワーク工程表の日数の求め方などは、動画で見るとより分かりやすいので、記事とあわせてぜひご覧ください。

※選択肢の記述は、解説のために要旨をまとめたものです。正確な問題文と正答は、試験実施団体の公表資料をご確認ください。

目次

令和8年度 1級管工事施工管理技士 第一次検定の難易度と合格基準

出題形式は例年と同じで、全体の難易度は標準的でした。原論では、No.1の直達日射量、No.3の流体の運動、No.8の二酸化炭素の排出量など、見慣れない図や近年あまり出ていなかったテーマが並びました。電気工学ではNo.12の電気設備工事もやや手ごわい問題です。一方、そのほかの分野に特に難しい問題はなく、ふだんの学習で高得点がねらえるレベルでした。

区分分野出題数必要解答数難易度
午前原論10問10問やや難しい
午前電気工学2問2問やや難しい
午前建築学2問2問標準
午前空調・衛生23問12問標準
午前設備5問5問標準
午前設計図書2問2問標準
午後施工管理法9問9問標準
午後法規12問10問標準
午後施工管理法(応用能力)8問8問標準

合格基準は、60問中36問以上(60%)の正解、かつ応用能力問題(No.22~29)で50%以上(8問中4問以上)の正解です。応用能力問題は答えを2つ選ぶ形式で、2つとも正解しないと得点になりません。

CIC講師の見立てでは、過去問であまり見かけなかったタイプの問題は全体で10問前後。それらは試験の冒頭(原論)と最後(応用能力)に集中しており、真ん中の分野はこれまで出題されてきた論点がほとんどでした。

正答肢は一般財団法人全国建設研修センター(正答肢PDF)で、CICの総評は1級管工事施工管理技士・検定問題と総評でご確認いただけます。

問題Aの注目問題(原論・空調)

問題Aの冒頭は、例年「あまり聞いたことがない」問題が出やすいところです。今年もその傾向どおりでした。ここは満点を目指す必要はなく、半分取れれば十分という気持ちで、落ち着いて次へ進むことが大切です。

No.1 直達日射量|夏至の日の「鉛直面」で比べる(正答:2)

北緯35°の地点で、夏至の日に鉛直面(建物の壁面)が受ける終日の直達日射量が最も大きいものを選ぶ問題でした。テキストでは水平面(地面)の日射量で学ぶことが多いため、「南向きがいちばん多いはず」と考えた方もいたかもしれません。

ポイントは、夏の太陽の動きをイメージすることです。夏至の太陽は北東寄りから昇り、北西寄りに沈みます。正午ごろは太陽高度が高く、ほぼ真上から光が来るため、南向きの壁にはあまり当たりません。そのため、夏の鉛直面では朝日・西日を長く受ける東向き・西向きが最も多くなります。選択肢に西向きがなかったため、答えは東向き鉛直面でした。

No.2 ダルシー・ワイスバッハの式|比例・反比例で比べる(正答:3)

摩擦による圧力損失が最も大きいものを選ぶ問題です。ダルシー・ワイスバッハの式は次のとおりです。

圧力損失 ΔP = 管摩擦係数 λ ×(管長 L / 管内径 d)×(ρ v2 / 2)

それぞれ式に当てはめて計算してもよいのですが、「どの要素に比例し、どの要素に反比例するか」で比べるのが効率的です。

  • 管摩擦係数・管長:大きいほど損失が大きい(比例)
  • 流速:大きいほど損失が大きい(2乗に比例)
  • 管内径:小さいほど損失が大きい(反比例)

この条件をいちばん多く満たす選択肢を選べば、計算しなくても正解にたどり着けます。

No.5 カルノーサイクル|「2乗に比例」の言い換えを見抜く(正答:1)

選択肢2~4はテキストや過去問に載っている正しい内容で、1の「カルノーサイクルの熱効率は、高温熱源と低温熱源の温度比の2乗に比例する」が誤りでした。

カルノーサイクルの熱効率は、高温熱源と低温熱源の絶対温度で決まり(η=1-低温側温度/高温側温度)、温度差が大きいほど効率が高くなるという関係です。「2乗に比例」するわけではありません。これまでにない書き方でしたが、テキストの内容を正確に理解していれば見抜ける問題です。

No.8 二酸化炭素の排出量|テキスト本文の一文がヒント(正答:1)

温室効果ガスの排出量を示したグラフから、二酸化炭素に当たるものを選ぶ問題で、初めて見た方が多かったと思います。

ヒントはテキストの一文にあります。二酸化炭素は地球温暖化係数こそ最も小さいものの、排出量が非常に大きいーーつまり、ほかの温室効果ガスと比べて排出量が極端に多いのが特徴です。グラフの中で飛び抜けて大きい値を示しているものが二酸化炭素と判断できます。日本の年間排出量が約10億t前後といわれていることを知っていれば、数値からも絞り込めます。

過去問には出ておらず、テキストでも太字ではない部分です。知らなければ解きにくい問題なので、ここを落としてもほかで取り返せば大丈夫です。

No.15 省エネルギーを目的とした空調計画|予熱時の外気取入れ(正答:1)

誤りは、予熱・予冷運転中に外気を取り入れるとした記述です。予熱・予冷の間に外気を入れると、なかなか暖まらない(冷えない)ため、エネルギーのムダになります。省エネの観点では、予熱・予冷時は外気の取入れを止めるのが基本です。近年はあまり出題されていませんでしたが、以前にも問われたことのある論点です。

問題Bの注目問題(施工管理法・法規)

No.2 ネットワーク工程表|クリティカルパスの本数に注意(正答:1)

毎年おなじみのネットワーク工程表です。解き方の基本は、最早開始時刻と最遅完了時刻をまず求めること。これさえできれば、ほとんどの設問に答えられます。

  • 最早開始時刻:前から順に作業日数を足していきます。ダミーなどで矢印が合流する結合点では大きい方の数字を採用します。
  • 最遅完了時刻:最後から順に作業日数を引いていきます。矢印の付け根が結合点になっている(分岐する)ところでは小さい方の数字を採用します。

今年の問題では、最早開始時刻を求めると所要日数は24日になります。続いて最遅完了時刻を求め、両者が一致する作業をたどると、24日かかるルートが2本あることが分かります。

そのため、「クリティカルパスは1本で、所要日数は24日である」という選択肢は、日数は合っていても本数が誤りでした。所要日数だけを確認して正しいと判断しないよう、クリティカルパスの本数まで必ず確認しましょう。

結合点ごとに数字を書き込んでいく手順は、解説動画で講師が実際に工程表へ書き込みながら説明しています。

No.16 建設業法|目的物の引渡しは「直ちに」(正答:4)

建設業法に関する記述のうち、誤っているものを選ぶ問題です。出てくる項目は一般的な内容ですが、答えになる部分がこれまでにない書き方でした。

  • 1:元請負人が前払金の支払いを受けたときは、下請負人に対し、資材の購入や労働者の募集など着手に必要な費用を前払金として支払うよう、適切な配慮をしなければならない。→ 正しい
  • 2:元請負人は、工程の細目や作業方法などを定めようとするときは、あらかじめ下請負人の意見を聞かなければならない。→ 正しい
  • 3:元請負人は、下請負人から完成の通知を受けたときは、その日から20日以内で、かつできる限り短い期間内に検査を完了しなければならない。→ 正しい
  • 4:検査で完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、申出の日から10日以内に目的物の引渡しを受けなければならない。→ 誤り

建設業法第24条の4では、検査後に下請負人から申出があった場合、元請負人は「直ちに」引渡しを受けなければならないと定めています。「10日以内」という規定はありません。

この「直ちに」は、テキストで大きく扱われることが少ない部分です。ただ、元請・下請の関係で押さえるべき期間は、完成通知から20日以内の検査と、元請負人が注文者から支払いを受けた日から1か月以内の下請代金の支払いが中心です。1~3が正しいと確信できれば、「10日という数字は見たことがない」と考えて4を選ぶ解き方で十分です。

応用能力問題(No.26~28)の解説

応用能力問題(No.22~29)は、1問につき答えを2つ選び、2つとも正解して初めて得点になります。この8問で半分以上を取れないと、全体で60%を超えていても不合格になるため、最も気を引き締めたいところです。

今年は、No.22~25あたりは過去問でおなじみの内容が多く、ここで確実に得点したいところでした。No.26以降は、「1つはすぐ分かるけれど、もう1つで迷う」タイプの問題が続きます。ここも「半分取れればいい」という気持ちで、消去法を使いながら落ち着いて解きましょう。

No.26 機器の据付け|感震器の取付位置(正答:1・2)

機器の据付けに関する記述のうち、適当でないものを2つ選ぶ問題です。

1は過去問でよく見る誤りのパターンです。「真空または窒素加圧の状態で据え付けられた冷凍機は、機内を大気に開放してから配管を接続する」という記述ですが、出荷時にせっかく密閉されている機内を開放してはいけません。

2は、これまでほとんど出題されていなかった論点です。「ボイラー等のバーナーを備えた機器は、機器本体に感震器を取り付け、地震時に運転を停止させる」という記述で、一見正しそうに見えます。ポイントは「機器本体に」取り付けるという部分です。感震器は、機械室の柱や壁などの主要構造体に取り付けるのが基本で、公共建築工事の標準仕様書でもそのように定められています。

3と4は正しい記述です。

  • 3:天井スラブの下面で、あと施工アンカーを上向きに設置する場合は、金属拡張アンカーを使用する。→ 正しい。接着系アンカーは上向きに施工すると抜けるおそれがあるため使用しません。なお、床面などで下向きに施工する場合は、接着系アンカーの方が強度面で有利とされることもあります。
  • 4:インサートは工事別に色分けすることで識別しやすくなり、取り違えを防げる。→ 正しい

2が分からなくても、1を確実に選び、3と4が正しいと判断できれば、消去法で正解にたどり着けます。

No.27 配管と配管付属品|偏心継手は「上面」か「下面」か(正答:2・3)

配管と配管付属品の施工に関する記述のうち、適当でないものを2つ選ぶ問題です。

  • 1:排水横走り管からの通気管の取出しは、排水横走り管の真上、または真上から45°以内とする。→ 正しい。過去問でもくり返し出ています。
  • 2:通気管の末端は、窓などの開口部から水平距離で1m以上離す。→ 誤り。正しくは3m以上で、これも頻出の数字です。

難しかったのが3です。蒸気横引き管を先下がり勾配で配管し、径の違う管を偏心径違い継手(偏心レジューサー)でつなぐ場合に、「管内の上面に段差ができないように接続する」という記述でした。

  • 上面をそろえる → 空気だまりを防ぎたいとき
  • 下面をそろえる → 凝縮水などの水だまりを防ぎたいとき

蒸気管では、蒸気が冷えてできる凝縮水がたまりやすいため、管内の下面をそろえるのが正解です。したがって3は誤りです。

「上面・下面」のように一語だけを入れ替えて誤りを作るのは、出題の定番パターンです。過去問をたくさん解いてきた方ほど「ここが怪しい」と気づけたはずですが、根拠まで分かって選べた方は相当よく勉強されている方だと思います。

No.28 ダクトとダクト付属品|案内羽根の板厚(正答:1・3)

ダクトとダクト付属品の施工に関する記述のうち、適当でないものを2つ選ぶ問題です。

1は過去問でよく出ている論点です。「コーナーボルト工法ダクトのフランジ用ガスケットの継目は、フランジの中央部を避け、コーナー部で重ね合わせる」という記述ですが、正しくはコーナー部を避け、辺の中間で重ね合わせます。

3は表現を変えて出題された論点です。「長方形ダクトの直角エルボに設ける案内羽根(ガイドベーン)の板厚は、ダクトの板厚よりも薄くする」という記述ですが、テキストにもあるとおり、案内羽根はダクトと同じ板厚にします。案内羽根だから薄くてもよさそうに思えますが、誤りです。過去には「ダクトと同じ板厚の案内羽根を設ける」という正しい記述として出題されているので、その記憶があれば解けた問題です。

  • 2:シーリングディフューザーをダクトにボックス接続する場合は、ボックス本体を吊り金物で支持する。→ 正しい
  • 4:長方形ダクトを割込み分岐する場合、割込みの比率は風量比で決める。→ 正しい

解説から見える、来年に向けた学習ポイント

今年の注目問題を振り返ると、来年に向けて意識したいポイントが3つ見えてきます。

1つ目は、過去問の「4つの選択肢すべて」の正誤理由を説明できるようにすることです。カルノーサイクルやガイドベーンの問題のように、過去問そのままではなくても、正しい内容を理解していれば解ける問題がほとんどでした。

2つ目は、テキストの太字以外にも目を通すことです。二酸化炭素の排出量の問題は、テキスト本文の一文がそのままヒントになっていました。過去問で間違えた論点は、テキストに戻って周辺の記述まで読んでおくと、少しひねった問題にも対応しやすくなります。

3つ目は、「一語の入れ替え」に敏感になることです。「上面/下面」「厚く/薄く」「1m/3m」「直ちに/10日以内」のように、正しい文の一語だけを変えた選択肢が多く出ました。

過去5年・10年の傾向や、分野ごとの出題頻度ランキングは、1級管工事施工管理技士の出題傾向をやさしく解説の記事でまとめています。来年の受験に向けて、何から勉強するかを決める参考にしてください。

受験後にやること

自己採点で合格ラインに届いていそうな方は、すぐに第二次検定の対策を始めましょう。第二次検定は記述式で、対策には想像以上に時間がかかります。まずは毎年必須のネットワーク工程表(問題2)と安全管理(問題3)から固めるのがおすすめです。講師の指導を受けながら進めたい方は、1級管工事施工管理技士 第二次検定対策講座もご活用ください。

あと一歩届かなかった方も、勉強の方向性は間違っていません。今回の解説で紹介したように、過去問を軸にしながら、テキストに戻って理解を深めるやり方で1年間取り組めば、新しい傾向の問題にも十分対応できます。

よくある質問

Q. 令和8年度の1級管工事施工管理技士 第一次検定の難易度は?

A. 全体としては標準的な難易度でした。原論と電気工学はやや難しく、見慣れない問題が冒頭に集中しましたが、空調・衛生、設備、設計図書、施工管理法、法規は過去問対策で十分に得点できる内容でした。

Q. 応用能力問題は1つだけ正解でも得点になりますか?

A. なりません。応用能力問題(No.22~No.29)は答えを2つ選ぶ形式で、2つとも正解した場合のみ得点になり、部分点はありません。また、応用能力問題で50%以上(8問中4問以上)の正解が必要です。

Q. 正答はどこで確認できますか?

A. 試験実施団体である一般財団法人全国建設研修センターが、試験翌日に第一次検定の正答肢を公表しています。

おすすめの参考書

今回の解説で紹介した論点は、どれもテキストと過去問題集で学べる内容です。第二次検定に進む方も、来年もう一度挑戦する方も、最新の出題形式に対応した教材で準備を進めましょう。

まとめ|令和8年度 1級管工事施工管理技士 第一次検定の振り返り

  • 全体の難易度は標準的。原論・電気工学がやや難しく、見慣れない問題は冒頭と応用能力問題に集中した。
  • 問題Aの冒頭(直達日射量、二酸化炭素の排出量など)は、半分取れれば十分。動揺せずに先へ進むことが大切。
  • ネットワーク工程表は、最早開始時刻と最遅完了時刻を求め、クリティカルパスの本数まで確認する。
  • 応用能力問題は「1つは過去問、もう1つは初見」の組み合わせが多い。消去法を使い、No.22~25で確実に得点する。

受験された皆さん、本当にお疲れさまでした。第二次検定に進む方も、来年に向けて再スタートする方も、引き続き合格を目指して一緒に頑張っていきましょう。

この記事で紹介した問題は、YouTubeの解説動画でも詳しく解説しています。まだご覧になっていない方は、ぜひあわせてチェックしてください。

CIC日本建設情報センターでは、厳選した過去問題をYouTubeで解説しています。下記バナーよりご確認ください!

CIC出版_独学スコアUP